太陽からは、目に見える光と目に見えない紫外線や赤外線など、様々な波長の光が放射されています。
紫外線には、波長の異なる3種類（UVA、UVB、UVC）があり、このうちUVCは波長が短く大気層で吸収されるため、地表に届くことはありません。UVBの多くは大気層で吸収されますが、一部は地表に到達。もっとも波長の長いUVAは物質を透過しやすく、地表に届く紫外線の約95%を占めるといわれています。
肌や目の健康に悪影響を及ぼす紫外線はUVAとUVBの2種類で、これらを徹底的に防ぐことが大切です。

紫外線がメラニン色素の生成を促してシミやソバカスの原因となることはよく知られていますが、肌に与えるダメージはそれだけではありません。
UVBは、地表に届く量は少ないものの、サンバーン（日焼けによる炎症反応）やサンタン（色素沈着反応）を引き起こすだけではなく、肌の表皮細胞やDNAを傷つける原因になるといわれています。
さらにUVAは、肌の奥の真皮にまで到達してコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみなどの原因に。さらには皮膚がんなどの病気を引き起こすこともあるといわれます。
肌の老化原因の中で、加齢による自然老化は約2割程度で、残り8割は紫外線による影響と考えられています。

紫外線は、季節にかかわらず年間を通して地上に降り注いでいます。特にUVAは、もっとも少ない時でもピーク時の約3分の１は届き、意外なことに真夏よりも5月の量がもっとも多くなっています。（グラフA） 冬の間の紫外線量は少なくなるものの、紫外線によるダメージは肌に蓄積されるので、油断していると思わぬトラブルの原因になることも。
また、地球環境の変動に伴い、地表に到達する紫外線量は1990年代はじめの観測以降、増加傾向を示しています。（グラフB） 紫外線による肌やからだへのダメージを防ぐためにも、季節にかかわらず、年間を通してしっかりとUVケアをすることが大切です。

晴れの日以外は、紫外線対策をついおろそかにしがち。しかし、曇りや雨の日でも、かなりの量の紫外線が降り注いでいます。
特にUVAは雲などの影響を受けにくく、窓ガラスなども透過して室内にまで入り込みます。「今日は外出しないから」と油断していると、思わぬダメージを受けてしまう危険性も。
また、日常生活の中で短時間浴びた紫外線も、肌に蓄積されてダメージの原因になってしまいます。ちょっとベランダで洗濯物を干したり、ゴミ出しや水まきなども、日焼けの原因になるので注意しましょう。

肌トラブルや老化の大きな原因となる紫外線から肌を守るために季節に関係なく日焼け止めを使用することが大切です。日焼け止めには、紫外線防止効果を示すSPF、PAが表示されています。

日焼け止めは、SPFやPAの数値をきちんと確かめて選びましょう。 また、使用量を守り、塗り残しのないように正しく使うことが大切です。汗を拭き取った時などは必ず塗り直し、外で長時間過ごす場合はこまめに塗り直すことも必要です。